動物病院コンサルタント 

 
 
       

必要なのはホスピタリティー



 ホスピタリティー

それは
病院を表す言葉「ホスピタル」の語源でもあります

いつしか忘れがちになる、この語源の根本に戻り
「ホスピタリティー」とは何か!を考え

それを実践していきましょう


では、ホスピタリティーとは、どういうことなんでしょう?

辞書には「心のこもったもてなし。手厚いもてなし。」とあります。

これは、サービスとと似た意味になりますが、サービスを辞書で調べてみると
「人のために力を尽くすこと。奉仕。商売で客をもてなすこと。顧客のためになされる数々の奉仕。」とあります。

私は、
サービスに心が入ったものがホスピタリティーだと考えます。

また、
患者様のニーズとウォントはそれぞれ異なります。一人一人の患者様に対して「その人が求める」「その人のためになる」ものを提供することがホスピタリティーだと言えます。
 

動物病院の新規開業は、昔とは異なりデザインや宣伝に力を入れて、しっかり開業する動物病院が多くなってきました。

昔とは、動物病院のイメージもすっかり変わり、おしゃれで、雰囲気のいい、動物病院が増えています。

既存の動物病院も、リニューアルをしたりパワーアップして変化しています。

譲渡継承し心機一転して、再出発する動物病院も増えています。

動物病院(ホスピス)においては、ホスピタリティーは必要不可欠なものなのです。

では、
実際にどのような心のこもったホスピタリティーをしていけばいいのでしょうか?
 

良質なホスピタリティー 

動物病院に必要なこと
それは、「患者様に良質なホスピタリティーを提供することです」

私のコンサルタント業においても他の仕事でも同じことが言えます。

ただ満足してもらうだけでは、いけません。

ただの満足では、プロとして当然のことであり、患者様の期待通りのことになります。

患者様をただ満足させるだけでなく、患者様の期待を越えることを目指さなければいけません

また行ってみたくなるよう、人に紹介したくなるようなワンランク上のホスピタリティーを提供する必要があります。

ワンランク上のホスピタリティーとは
「患者様の期待を上回るレベルのホスピタリティーを提供する」ということになります
 

患者満足

患者様にただ単に、普通の満足を与えるだけでは、いけません。

それは、すでにどこの動物病院でも行っていて当たり前のことです。


患者様は、期待していたことが、その通りにかなうと満足しますが、ただ単に満足を与えるだけでは他の動物病院に関心を向けることがあります。

もし、今行っている動物病院よりも期待を越えるホスピタリティーが受けられる動物病院がみつかったりするとその方に関心が向けられることになります。
 

患者様  ホスピタリティー  期待以下  不満   他の病院に行く
患者様  ホスピタリティー  期待通り  満足   他の病院に行く可能性大
患者様  ホスピタリティー  期待以上  嬉しい  固定患者になる

満足していても転院する理由

では、
ホスピタリティーに満足していても、他の動物病院へ転院してしまうのはなぜでしょうか?

主な理由としては下記が考えられます。
 

競合病院の
新しい
ホスピタリ
ティー

他の競合病院が患者様の関心を引くような新しいホスピタリティーを創り出した場合。

新しい動物病院が、今通っている動物病院より上回るホスピタリティーを打ち出した場合。

不十分な
対応

今通っている病院が多忙であったりして患者様の求めている満足が満たされなくなってきた時。
(患者様は不安を感じ他の病院を探します)

今通っている動物病院で、期待する対応を得ることができなかった時。
(待ち時間の少ない素早い対応を望んだからかもしれないし、いつもの獣医師が関心をもってくれなくなった。。と判断したかもしれません)

利便性
立地条件が不便という理由で患者様が離れていくこともあります。
(病院の場所が遠かったり、駐車場が少なかったり、出入りが困難だったり)

また
診療時間が日曜・祝日が休診だったり、診療時間が短かったり、往診がなかったりして不便を感じた患者様は、自分のライフスタイルに合った動物病院を探すことになります。

口コミ
今行っている動物病院を心から満足していても、友達や散歩仲間から「自分達の受けている動物病院は素晴らしい!」と自慢するのを聞いて競合病院の方へ転院してしまうことがあります。

自分の受けている動物病院が、ここまで賞賛できないために、何か損をしているのではないかと感じて転院を考えることになります。

ホスピタリティーの質

ワンランク上のホスピタリティーとは、
「患者様の期待を上回るレベルのホスピタリティーを提供すること」ですが

では、
患者様は一体どのようにしてホスピタリティーの質を評価するのでしょうか? 
 

信頼
院長とスタッフが一貫性を備えているか。信頼できるか。約束をしたことを守るか。
という視点で評価されます。

できない約束は、してはならないし、約束したことは必ず守らなければなりません。

対応
対応の良し悪しは、院長、スタッフが嫌な顔をせず、速やかに、進んで患者様に手を貸してくれるかどうかで測ります。

患者様の関心や求めているもの、疑問、不満などに直ぐに気付くことも大切です。

そして、患者様が欲求を訴えたときや、患者様の状況が変化したときなどに柔軟に対応する必要があります。

対応の良さを高く評価してもらう方法は、
「常に患者様を中心に考えることです」

安心感
動物病院では、患者様の負うリスクは大きいため、患者様に結果を信用してもらい、安心感を与える事が重要なことになります。

では、
安心感を与える方法は何でしょうか。

既存の患者様に何年も良質なホスピタリティーを続けていれば、信用度はかなり高くなっていますが、新規の患者様に安心感を与えるのには、どうしたらよいかというと、

1.資格証明書や認定書を患者様の目につくようなところに掲げて、信用の置ける専門家だという印象を与えることができます。

2.ある分野における過去の経験を示します。
その分野で、何年の経験があるか。
何人の患者様に提供してきたかを明記します。

共感
人は皆、大切に扱われたいと思っています。

「あなたは他人と同じではない、大切な患者様だ」という気持ちを伝えることが大切です。

治療とは関係ない会話をした時に、そのメモをカルテに書いておくだけでも、患者様と意思の疎通を図ることができ共感を伝えることが出来ます。

次の診療の時に、前回話したことを話題にします。

これだけのことで患者様は、院長は自分に関心を関心を抱いてくれていると感じます。

モノ
ホスピタリティーには形がないため患者様は、ホスピタリティーの質を示すモノの手がかりを探します。

病院施設や家具、医療機器、スタッフ、パンフレットなどが望ましいイメージを伝えることを心掛けることが大切です。

待合室やトイレの置き物、診療案内のパンフレットや病院新聞などでも患者様はホスピタリティーの質を評価します。

ワンランク上のホスピタリティー


院長、スタッフはワンランク上の良質なホスピタリティーを提供して、「患者様をただ満足させるだけでなく、患者様の期待を越えることを目指さねばなりません。

「患者様の期待を上回るレベルのホスピタリティーを提供します」 

ただ、
患者様の期待というものは変化します。

ワンランク上のホスピタリティーを提供して患者様の期待を上回ることが出来ていて成功していても、これからもそうだという保証はありません。
患者様の期待は、周囲の状況によっても変わるし、競合病院の活動によっても変化します。

よって
患者様の期待には、常に目を向けておく必要があります。

また
患者様は、限られた情報を頼りに、どの程度のサービスやアドバイスを受けられるかを推定したうえでその動物病院を訪れます。

診療の結果は、ある程度は推測しているのです。


よって、
院長に対する期待も最終的にホスピタリティーの質を評価するのも、大部分が診療サービスの提供過程に基ずくものになります。

結果に基ずくものではないといえます。

サービスの提供過程をみてホスピタリティーの質の評価をします。

結果よりも過程が重要です。




最近は、動物病院においても「ホスピタリティーの重要性」がかなり認識されつつあります。

大きな理由の一つは競争の激化、飼主様の意識の変化などで動物病院の経営環境が厳しくなりつつあることです。

飼主側から言えば、動物病院が適切で良質な医療サービスを提供するのは当然でありそれだけでは不十分なのです。

思いやりのある優しい言葉。きめ細かな心配り、好感のもてる身だしなみ、飼主様は動物病院に対して接客、マナー面におけるレベルの高さも同時に求めています。

そもそも、ペットと共に動物病院に来院する飼主様は、精神的に何らかの不安、悩みを抱かれています。

そうした飼主様に対し思いやりのある態度で接することは医療従事者の基本といえます。

今では、ホスピタリティーの良し悪しは、集客力を大きく左右する要素の一つになっています。

他の動物病院と比べ、まず始めにハード面で劣る場合は、その影響度はより大きくなります。

ハード面も重要ですが、ソフト面のホスピタリティーの強化もさらに重要になります。

アメニティーの強化


ホスピタリティーを強化することは当然のことですが、その他にも最近ますます重要視されるようになっているのが病院内のアメニティーです。

これらも、立派なホスピタリティーといえます。

待合室の広さ、イスの配置、お洒落で機能的なトイレ、色彩計画、照明計画、音楽、テレビ、空気清浄機、ウォーターサーバー、コーヒー、雑誌、新聞、情報誌、掲示板、リードフックに至るまで患者様のことを第一に考えた綿密なプランニングが必要です。

アメニティーもだんだん浸透してくると、今度はアメニティーの優劣の比較になってくるため、デザイン、アメニティーのプランニングは自分で考えたり知人や友人に任せないで、その道のプロに任せることが必要になってきます。

ロゴマーク、看板のデザインもプロのデザイナーに依頼したいです。

見る人が見ればロゴマークや看板を見ただけで、その動物病院の質(レベル)は判断できます。

ロゴマーク、看板、病院内のデザイン、アメニティーも、すごく大切なホスピタリティーといえます。

これらは開業後、黙っていても宣伝、サービス活動を勝手にしてくれる宣伝マン、ホスピタリティー係ということにもなります。

そう考えると看板には人件費の1年分をかけても惜しくはないです。

また、
季節に応じたディスプレイもしていきましょう。

最低限☆クリスマス☆の飾りつけぐらいはしたいです。

このように膨大な経費と時間を使って新規飼主様を獲得しても、時間が経つにつれて離れていく飼主様もいます。

転居やペットロスの場合もありますが、飼主様が賢くなり、価格に敏感になり、要望も厳しく、寛容もなくなり、そして動物病院の選択肢も増えている現在、飼主様はより良い動物病院があればすぐ転院してしまいます。

よって、
ホスピタリティーを強化し続けることはもちろん、アメニティーも強化し続けて差別化を図っていくことが大切です。

ディズニーリゾートからのヒント


ディズニーリゾートのホスピタリティーの考え方についてお話します。ディズニーリゾートのホスピタリティーは世界一です。

だから、
きっと分厚いマニュアル書があってそれを覚えて勉強するのだろうな〜?

と考えていましたが意外とマニュアル書は薄く簡単なものです。

今でもホスピタリティーの勉強を兼ねてディズニーリゾートへは行きますが、

「すべてのゲストがVIP」「自分のしてもらいたいことを人にしてあげる」ということが基本です。

この事だけを常に頭に入れてスタッフに行動してもらえば、くどくどしたマニュアルは必要ないかもしれません。

園内のスタッフを見てみると確かにこのコンセプトのことがよくできています。

しかし、
この行動ができるこの背景には、それなりの仕組みがあります。

アルバイトの面接の時は、ミッキーマウスが出迎えてくれます。

アルバイトに対しても思いやりを持って歓迎して出迎えるという、この初めのスタートからすでに違うのです。

会社側からまず初めにしっかりと、

「すべてのゲストがVIP」「自分のしてもらいたいことを人にしてあげる」ことを身をもってアルバイトにも示しているところは「さすが!!」です。

また、
「すべてのゲストがVIP」ということを表すためにディズニーランドの入口部分の床は、「レッドカーペット」を敷いて大切な人をお出迎えするという意味で入口部分の床を赤色で表現しています。

ワンランク上のホスピタリティーを身に付けるには、ディズニーリゾートに行って体験するのが一番です。

どんな本を読むよりもよいです(^^)



ディズニーランド入口のレッドカーペット

百貨店からのヒント


アメリカで「ノードストローム」という有名な百貨店があります。

この百貨店は、日本の百貨店がお手本にしている百貨店の一つで海外研修の時には誰もが必ず訪れる百貨店です。

このノードストロームの最大の目標は、「顧客に最上のホスピタリティーを提供すること」

そして
「カスタマー・イズ・オールウェイズ・ライト」
Customer is always right.

「お客様は常に正しい」が標語になっており、この目標と標語に基づいてスタッフは行動しています。


このノードストロームもディズニーリゾートと同じように、分厚いマニュアルなどはありません。

というのは
あまりにも多くの規則、規制やペーパーワークは従業員の士気をそぐからという意味でマニュアルもなく形式的なプログラムによる社内教育もほとんど行っていないということです。

スタッフに意思決定の責任を持たせ、スタッフらの判断を尊重し、そして顧客をハッピーにするためなら(法に抵触しない限り)何をしても良いという自由をスタッフに与えています。

百貨店は物を売るのが本職ですが、ホスピタリティーというものを重要視しているのです。

動物病院も同じだと思います。



ノードストローム百貨店(アメリカ)

動物病院を選ぶ理由・動物病院を替えた理由


私が実施したヒアリング調査から
「動物病院を選ぶ理由」と「動物病院を替えた理由」についてまとめてみました。


動物病院を選ぶ理由で一番多いのが「先生、スタッフがやさしい」「丁寧に説明してくれる」


一方、動物病院を替えた理由で一番多いのが「先生とスタッフの応対が悪い。威張っている」という結果が出ています。


これらの上位の回答を見てみると、先生とスタッフの診療姿勢に関するものだということがわかります。


要するに料金が少々高くても、設備が充分に揃っていなくても飼主様は通い続けてくれますが先生の説明がいい加減でわかりにくかったり、先生、スタッフの態度が高圧的であったり、うまくコミニュケーションできないと感じた時はすぐに別の動物病院を探すということです。

最近、飼主様の先生を見る目はかつてないほど厳しくなっています。

やさしく丁寧で納得のいく説明をしなければ飼主様は必ず離れていくものだと心したいです。

この結果からみても、先生、スタッフと患者様の接点である応対、心のこもったホスピタリティーというものがいかに大切かがわかります。

 

動物病院を選ぶ理由

1位 先生、スタッフがやさしい、人柄がいい 23%
2位 丁寧に説明してくれる 22%
3位 自宅に近い 14%
4位 上手 13%
5位 評判が良い 11%
6位 いつも混んでいる 6%
7位 新しい動物病院 4%
8位 大きい動物病院 3%
9位 先生が若い 2%
10位 設備が揃っている 2%
 カトーのヒアリング調査より

動物病院を替えた理由

1位 先生とスタッフの応対が悪い。威張っている 14%
2位 先生の言い方が、とっても偉そうでこちらの言うことを聞いてくれない 13%
3位 動物のことを親身になって考えてくれない 11%
4位 信頼できない 10%
5位 他の動物病院が、とても良いと友達に薦められた 8%
6位 説明がわかりにくい 8%
7位 近くに新しい動物病院ができた 8%
8位 毎回診てくれる先生が違う 7%
9位 近所の評判が悪い 4%
10位 病院が汚くて臭う 4%
11位 料金が明確でない 4%
12位 往診してくれない 2%
13位 預ってくれない。ペットホテルがない 2%
14位 毎回言うことが違う 2%
15位 治療する時に詳しい説明もしないで始める 1%
16位 知人の犬が治療中に原因不明で急死したと聞いた 1%
17位 夜、診てもらえない 1%
 カトーのヒアリング調査より

同じような動物病院が新しく出来ても転院してくれない


動物病院業界は、すでに本格的な競合時代に突入しています。

最近、
開業場所の物件収集をしていても空き物件の近くには必ずといっていいほど動物病院が存在しており、動物病院がなくて空いている地域というのは都市部においてはなくなりました。

郊外では、動物病院がなく空いている地域はありますが、その代わり人口は少なくなってしまいます。

競合病院がなく、かつ人口の多い地域はすでにありません。

よって、
今後開業する地域は

「競合病院は多いが、都市の人口集中地にて開業する」か
「競合病院は少ないが、郊外の人口も少ない地域で開業する」ことになりますが、
いずれにしても今までのように、ただ開業するのでは意味がありません。

「特徴化」「差別化」をはかりホスピタリティーに注意を注ぐことが重要になってきます。

なぜなら、
せっかく新しい動物病院ができても、今通っている動物病院と同じ様な動物病院であるなら、わざわざその動物病院に行く必要がないためです。


 

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